このジャズギター習得へのロードマップでは「ジャズギターを学問として、論理的、戦略的に身につけていく」考え方を提示しております。
詳しくは過去の記事をご参照ください。
今回はクラシックフォームの指の独立練習を具体的に紹介していきます。
左手指の関節の名前
左手指先端から、DIP関節、PIP関節、付け根をMP関節と言います。
主に意識的に動かすのはMP関節とPIP関節です。
MP関節の動き:押弦、離弦時(弦を押さえたり離したりする時)
PIP関節の動き:1弦から6弦を選択するときに屈曲、伸展させる。
DIP関節の動き:この関節だけ意識的に動かせる人は少ないです。PIP関節と付随して動きます。
具体的に動画で説明します。
こちらの動画は押弦、離弦、そして弦移動の運動についての関節の動きです。
ジャズギタリストの達人には、必ずしもこうでない方も沢山います。例えばギラッド・ヘクセルマンはジャズギター界最高峰の素晴らしいプレイヤーですが、上記のルールの観点からすると小指はかなり離弦時に伸展しています。
前回のブログでも書きましたが、こういった基本に忠実ではなくても、幼少の頃からの膨大な練習時間と経験から独自の運指を作り出して、それがスペシャルなスタイルになっている人も沢山います。
これを読んでる方も、それが出来たらそれでも構わないと思います。
しかしこのブログの目的は、論理的、戦略的に身につけていくのが狙いです。
少ない時間の中で、いかに効率よくジャズを習得していくか。学問的に考えています。
英語学習の例えも以前にしましたが、「英語を話せる様になりたいなら3年くらいアメリカとかイギリスに行ってくりゃいいんだよ」と言われて、それができる人はそれでいいんです。それは様々な理由から出来ない人が多いので、戦略的に考えてく必要があります。
実際の基礎練習
クラシックフォームは、クラシックの教本などにはかなり細かく載っているものも多いので、ジャズを志す方も一冊くらいは持っていていいかもしれません。
オススメはこちらです。
今回はこちらの本の「左手の独立」からご紹介します。
この動画ではほんの数例をあげましたが、もっと様々あります。
この様な基礎練習を行うことで、ミスタッチが少なくなり、演奏の技術が飛躍的に向上していきます。
僕個人の過去の経験の話をさせて頂きます。
音楽専門時代、学校ライブですらとても緊張していた僕は本番になると全くと言っていいほど左手と右手のタイミングが合わず、全然思った様に弾くことができませんでした。毎回本番のたびにすごく自己嫌悪に陥っていました。
その後クラシックを勉強した際に「左手指は2割の力で押弦する」と、あるマスタークラスで教わり、すごく合点がいきました。
仮に自分が指を自由にコントロールできる力の上限を10としましょう。普段から6〜8くらいの力で演奏をしていたら、本番という嫌でも力む環境では10を振り切ってコントロール不可の状況に陥ってしまします。
普段から、必要最低減の力で、リラックスした自然体で演奏を行う。力を数値化するならば「2」の力で押弦する。そうすればいざ本番の力んでしまった時でも10をふりきらずコントロールできる範囲内です。学生時代の僕は相当無駄な力と変なフォームで弾いていたんだと思います。
僕自身は徹底的にフォームについて研究、改善をしていったおかげで、クラシックギターの国際コンクール決勝というとてつもなく緊張を強いられる様な場面でも制御範囲内で演奏をすることができ、賞をいただくにまで至りました(この辺りはまた別の機会に執筆したいと思います)。
これはジャズを弾くというジャンル以前に、楽器をしっかり弾けるかどうかの問題です。非常に重要なテクニックの考え方なので、ぜひ自分なりに研究、習得してください。
自身でできているかどうかわからない、最短ルートでモノにしたいのであればこちらまでご相談ください。
本気のジャズギターを段階的に習得。
教室内ジャムセッションやフェスの出演などで実践経験もつんでいけます。
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