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  • 執筆者の写真Takoh

ジャズギター習得へのロードマップ③〜知識の習得〜

前回のジャズギター習得へのロードマップ②ジャズギター習得へのロードマップ①で「ジャズギターを学問として、論理的、戦略的に身につけていく」考え方を提示しました。


前回までで、独断ではありますがジャズギターを習得するにあたって大切だと思われる事項を、外国語習得になぞらえて科目的にまとめてみました。


そうすることで、戦略的にジャズギターを習得しやすくなると思います。


英語に例えると「文法」「単語」「リスニング」「スピーキング」などの科目を

ジャズギターでは「知識系」「テクニック系」「能力系」に分けました。



今回は実践的にギターを弾くのではなく、「知識系」のインプットについてより細かく紹介していきます。


知識のインプットの重要性については前回のブログで紹介しているのでそちらを参照してください。


・ジャズの名盤をきく

・ジャズの偉人を知る

・ジャズの歴史を知る


 上記のことは、あなたがこれから習得していきたいと考えているジャズというジャンルがどの様なものなのか?過去の作品に触れて体験していくということです。


 これは必ずやらなければいけません。過去の名作、名曲、名演を知らずしてジャズを演奏することはほぼ出来ないと考えて良いと思います。

本人がジャズだと思っていても、周りはその様に評価しないことが多いでしょう。

 また、ジャズをやりたい人の中には「自分の音楽のスタイルにジャズ的な要素を入れたい」という様な、ジャズそのものをやりたいというより、他ジャンルをやりながらジャズのエッセンスを学びたい。という方もいるかもしれません。


 その様な場合でも、度合いの差こそあれ歴史的名盤と呼ばれるものは知っておいて損はないと思いますし、自分のスタイルの深みにもつながってくるでしょう。


 少し、筆者Takohの過去のエピソードにそれます。


 25歳ころ、演奏の仕事を探していた僕は電車で少し離れたところに生演奏を売りにしているバーで演奏兼バーテンダーという仕事を始めました。


 その時のバーテンダーはほぼみんなミュージシャン。その中の一人はクラシックピアノで芸大卒のエリートでした。



 彼がたまにピアノで書き譜(すでに楽譜がジャズ風にアレンジされている楽譜)のジャズスタンダードを演奏するのですが、もちろん初見でもミスタッチの無いレベル。ピアノの音色も優雅で品があります。良いか悪いか、の二択で言えば耳さわりの良い素敵な音楽でした。


 が、それは「ジャズでは無い」と若かりし頃の僕は感じました。

和音のハーモニーやフレーズもいわゆるジャズリックやテンションコード、曲もジャズスタンダード。しかしそれはクラシックピアノのノリなのです。


 ジャズには「スウィングしなけりゃ意味がない」という有名な曲がありますが、ジャズ特有のノリや訛り、みたいなものが感じられなかったのです。


 ピアニストの彼はほとんどジャズを聴いたことがないバリバリクラシックの人でした。


 上記の科目において、彼はテクニック系、能力系は十分すぎるほど持っていました。ではなぜ彼の演奏はジャズではなかったのでしょう?(少なくとも僕がそう感じたのでしょう)



 それは彼はジャズの素養(過去の作品やプレイ、歴史など)を知らなかったからに他なりません。

 

 それ以外に必要といえば、他の人と一緒にジャズを演奏するセッションやライブの経験でしょう。


 このエピソードにおいて、ジャズの素養、実際の演奏経験、この二つの必要性がわかると思いますが、実際の演奏は最初は恐ろしいですよね。僕もセッションとか最初は怖かった。


 まず戦略的に攻略するのであれば、とっつきやすいのは知識の習得ではありませんか?


過去の名盤や偉人、そして歴史に触れるということは、自分の中にジャズの精神を入れていくという作業だと思ってください。


 ジャズという精神が血肉になっていかないと、自分の発する音楽がジャズになりません。いくら楽器が上手くてもジャズになりません。


 逆にオスカーピーターソンのようなジャズの権化的な人は「ソ」と「ド」だけを弾いてもジャズになります(C jam blues)し、過去を踏襲している現代的なジャズプレイヤーの様にBeBopのイディオムにとらわれないフレージングや楽曲でもジャズになります。



 ぜひ過去の作品に触れて、ジャズのマインドを自身の中に育んでいきましょう。


 「でも、何から聴いて良いかわからない。」という方も多いと思います。



 ここからは、僕がお勧めする書籍をご紹介します。


ジャズ超名盤研究 小川 隆夫 (著)出版社 ‏ : ‎ シンコーミュージック (2018/5/23)






 こちらは1〜3巻まであります。

名盤を一枚ずつ紹介しているのですが、その作品の「歴史的意義」「作られた背景」「ミュージシャンのエピソード」「楽曲解説」「参加ミュージシャン解説」


 など非常に細かく記載されていて研究というに相応しい内容で名盤の紹介をしています。


 このエピソードや背景は非常に重要です。

たとえばジャズ史上最も名盤と名高いMiles Davisの「Kind of Blue」が、なぜそこまで評価が高いのか?歴史的な作品と呼ばれているのか、一聴するだけではそれはおそらくわからないでしょう。


 音楽の歴史で起きている変革などは、その変革が起きた時代の背景があります。背景や歴史の流れを知らないと、ビートルズとジミ・ヘンドリックス、またはデレク・トラックスを同時に聴いて「なんかビートルズって古臭いね。なんで評価されてるんだろう?」と言ってしまう様なことが起きてしまいます。


 その名盤が誕生した背景を知り、その音楽の価値を認識することで、流れてくる一音一音により傾聴することでしょう。


 ジャズの歴史本も多数出版されております。その様な本でジャズという音楽の成り立ち、名プレイヤーの系譜、細分化されているジャズの中の細かいカテゴライズなどを整理していくと良いでしょう。



 上の書籍でも量が多い、と感じるならば

まずは超ざっくりとデューク・エリントン、チャーリー・パーカー、マイルズ・ディビスの三人から聴いてみましょう。



 最後にギタリストに注意点


 ギタリストはどうしても聴く音楽がギターに偏りがちです。僕自身もジャズギタリストの演奏は相当聴き込みました。


 が、是非ジャズギター以外の演奏をバランスよく聴く様にしましょう。


 これはとても大切なことです。理由は次のブログで説明します。



 

本気のジャズギターを段階的に習得。

教室内ジャムセッションやフェスの出演などで実践経験もつんでいけます。

 


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