このジャズギター習得へのロードマップでは「ジャズギターを学問として、論理的、戦略的に身につけていく」考え方を提示しております。
詳しくは過去の記事をご参照ください。
前回の指板の理解その1では「水平方向」にギターの指板を見ていく練習を紹介しました。ドレミファソラシドと弦を水平方向に上がっていくと、ピアノと同じ構造になっていて視覚的にも捉えやすいと感じていただけたと思います。
もう一つ、前回で大切だったのは「ルートとの位置関係」です。
ジャズギターのみならず、ジャズにおいて「進行中の曲のコードの何度を弾いているか(鳴っているか)」これを把握するのは必須です。
鳴っている音が瞬時にわからなくても、自分が出している音がコードの何度なのか、これは絶対にわかっていなければなりません。
例えばDm7を弾いている時に、自分の弾いている音が「9th」や「11th」なのか、または3rdや5thのコードトーンなのか。といった具合です。
その為に、水平方向へのCメジャースケールでのトレーニングの際に、Cのルートを5弦と6弦で押弦しながら練習する。必要があったのです。
まだいまいちピンとこないと思いますので
一応おさらいです。
任意の一点、白丸が6弦ルート音の時、2弦の黒丸の位置は必ず5thになります(変則チューニングは除く)
例えば白丸が8フレットC音の時は5thだけど3フレットG音の時は3rd…
みたいなことはありません。必ず5thです。
仮にこのルートと5thの位置関係をしっかり覚えられればその両隣は導き出せます。
右に全音動けば、ルートと6th(=13th)の関係となり、左に全音動けば11thとなります。
また、下図の様に半音の動きならば#や♭が適宜つきます。
(この場合は#11thまたは♭5th)
この位置関係はチューニングが同じ限り、指板が無限にあっても変わりません。
5弦にルートが来ても同様です。
任意の5弦の一音を選んだ時、2弦の黒丸はM3rd、赤丸にずれるとm3rdとなります。
よく教則本では、下図のように指板を切り取って縦にブロックの形でスケールを図形的に捉える様に紹介されています。(図はメジャーペンタトニックスケール)
これもとても大切ですが、最初は水平方向、つまり2弦なら2弦、と弦を固定して指板を把握していったほうが絶対にいいです。
なぜなら簡単で楽だからです。
キーをCに固定して、ルートと度数の位置関係、そして指板の音名を同時に覚える。
もう一度いいます。
①指板の音名
②ルートと度数の位置関係
これを同時に覚えるのです。これがこのトレーニングの目的です。
これが前回の動画でもやっていたトレーニングの補足説明です。
今回はもう一歩踏み込んで練習をしていきます。
前回までは、5弦または6弦の違いはあれど「ルート」を固定して行いました。
今回は2弦(または1弦や3弦)を固定して、コード進行を作ってルートを動かしていくトレーニングを行います。
動画は2弦のみですが、今まで動かしていた1、2、3弦の方を固定してルート側を動かしていきます。
この時に、当然ながら各ルート音と1、2、3弦の位置関係は変わります。
動画で最初に弾いてる例を図にしてみましょう。キーCのⅠーⅥーⅡーⅤと呼ばれる循環進行です。
2弦の位置を5フレットのE音に固定しています。
この時各ルートから見たときの位置関係は当然変化しますね。
ルートがCの時はM3rd、Aの時は5th、Dの時は9th、Gの時は13th
この様に任意の一音を固定して、ルートを動かした時に、その一音がルートから見て何度の音になるか。
これを瞬間的に把握できる様にトレーニングしていきます。
「あ…えーと…」と考えながらわかるレベルでは、実際の演奏時に把握することはできません。文字通り瞬間的に、というか押さえる前から把握しているくらいでないと実際の演奏では出てきません。
任意の一音を色々と変えながら、まずはキーCの循環進行でやってみることをお勧めします。
動画で弾きましたが、C Natural minorスケールの度数も練習しておくとより強固に理解できる様になると思います。
今回のオススメ練習
①5、6弦ルートを押さえながら1、2、3弦をそれぞれ水平方向に弾く(キーC)。10分
②1、2、3弦の任意の一音を押さえてC-Am-Dm-Gの循環進行で度数を把握しながら弾く。10分
③好きなことを楽しむ。
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