このジャズギター習得へのロードマップでは「ジャズギターを学問として、論理的、戦略的に身につけていく」考え方を提示しております。
詳しくは過去の記事をご参照ください。
今回はサブタイトル通り、右手と左手のシンクロについてです。
突然質問ですが、正確なリズムで演奏するには右手と左手のどちらが重要だと思いますか?
音を出す動作は右手によるピッキングなのでやはり右手でしょうか?その様に考えてリズム練習を右手を中心に行なっている方も多いかもしれません。
人それぞれ様々な考え方があると思いますが、僕自身は「リズムは身体の芯で捉らえる」べきだと考えています。
右手や左手、頭や足などどこかの一部分で捉えるのではなく、身体の内側の芯の部分で捉えてこそ体全体がシンクロしてくるのだと思っています(ドラマーなどまさにそうですね)
なぜこの様な話をするかというと、過去の自分の経験、また自身のレッスン経験から「右手と左手のタイミングがあっていない」と感じることが多いのです。
具体的には左手指の移動が右手の押弦より早い。
その為、音がブツブツと切れて聴こえてしまう。
または指弾きの場合、右手のリリースが遅くて弦に長く触りすぎて音がブツブツ切れる。
などです。
今回は、リズムを表面化する際に右手だけではなく左手でもリズムをしっかり表現するトレーニングをご紹介します。
最終的に右手と合わせて練習することで、右手と左手が綺麗にシンクロして滑らかに音がつながる様になっていきます。
用意するものはメトロノームとギターです。
1、メトロノームのBPMを任意の数値に設定します(やりやすい速度にしてください)。
2、ギターを弾く前にそのテンポを体で感じます。細かくテンポを分割してもいいですし、大きくとっても構いません。自分が感じる打点とメトロノームの打点(音が鳴る点)を一致させます。
その際、テンポを感じるのに足をタップしたり首を動かしたり、身体の部位でリズムを取るのではなく、自分の内側からメトロノームのテンポと同期する感覚を持ってくだ
3、打点に合わせて左手指を(膝などに)叩いてみます。
4、今度はギターの任意の1音を左手指のみで弾いてみます。(ハンマリングの要領です)
5、左手のみで様々なフレーズを弾いてみます。(プリングも入れてみます)
6、左手指の脱力によるミュート(8分音符裏のタイミングなど)
7、今度は右手も入れて同じタイミングで弾ける様に弾いてみます。
いかがでしょうか?
大切なのはリズムを身体の芯で捉えていること。
僕の経験では、足でリズムをタップしたりどこかの部位で表面化していない方が内面でリズムを捉えやすいと感じました(これは人それぞれだとは思います。)
僕がこの様な練習が大切だと感じたのは、パットメセニー氏の演奏を観てからでした。氏は一糸乱れぬ早弾きも披露しますが、僕の印象は左手指が若かりし日のジャッキー・チェンのアクション位すごいキレだと感じたのです。
YoutubeでWarm Upの動画もありますが、左腕の横移動も含め、左手指の押弦の速度感が軽やかに速くて見とれてしまいました。
また、昨今ではLage Lund氏も左手の押弦の速度が凄いですね。氏は左手指の押弦を意図的に強く弾いてアコースティカルなフルアコの響きをに表現しています。とてもかっこいいですね。
この練習は押弦時の左手指の速度を結果的に速くする練習でもあるので、狙った弦をうまく押弦できない、という方は「ジャズギター習得へのロードマップ⑧〜基礎テクニックの向上②〜」をご覧ください。
日々の演奏から1音1音のクオリティを高めていく様に心がけて練習をしていくと、その10分、20分が1年を通すととんでもない差になっていくかと思います。
本気のジャズギターを段階的に習得。
教室内ジャムセッションやフェスの出演などで実践経験もつんでいけます。
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